靖国神社におけるA級戦犯分祀論

 「国立追悼施設を考える会」に所属する議員や、それに同調する人々は、
政府が靖国に言う事を聞かせて、分祀しようと言う様な意見が多いですね。
国家が、宗教法人にそのあり方について干渉すべきと言う意見ですね。
ここを少し考えたのが谷垣禎一財務大臣で、
「あくまで、靖国神社に自発的な分祀を求める」というものです。
もっともそれでも、政府が圧力をかけた感はいがめませんが。



 これに対して、一番筋が通った分祀論者が、麻生太郎外務大臣で、
靖国神社を国家をもって管理し、その上で分祀しようという意見です。
私は正直、A級戦犯東京裁判でされ、
そして陛下の御命を守るために死んでいった方々が、
どこかに分祀されるなら、それは構わないと思いますし、
できる限り靖国神社ないし、護国神社に、8/15に参拝し、
A級戦犯とされる人々が祭られた先には、
その方々がGHQに処刑された、12/23に、お参りすることでしょう。



 ただ、根本的な問題が二つあります。
まず一つは、この分祀論は、中国の圧力によってもたらされたものであること。
これは明らかな内政干渉あるいは、日本の文化に対する中国の干渉です。
これは、あってはならないことです。



 そしてもう一つ、
神道において分祀とは「移す」ことではなく、「増やす」ことであること。
つまり、靖国神社から他の神社に分祀したとしても、
靖国神社にも、英霊は鎮座されるし、
分祀先にも、英霊が鎮座されるというわけです。
しかし、それは散々、保守系論者が語った事で、
それを承知で、分祀だ、分祀だ、と言っているわけですから、
おそらく、分祀を望む人はそれでもいいんだ、
それで、自分たちは納得するんだ。
中国が駄目と言ってるから、分祀しろと言っている人達は、
そういう体裁を取りさえすれば、中国も納得してくれるんだ、
と、そういう意見なのでしょう。



 と言う事は、分祀にあたる問題は、
まず一つ目、中国の内政干渉であるという節をしっかりと消せるような理由をつける事。
二つ目は、分祀の意味を分かった上で、「それでいいんだ」という考えで行うこと、ということでしょう。
アジアのために、アジアのためにと言っている人たちは、
中国様に、「分祀すれば許してもらえる」という確証ぐらいもらってくればどうでしょうか。
もっとも、そうしたところで、内政干渉の色が強くなるだけなんですが。
分祀には様々な問題が絡み合い、
分祀論者はそれを包括解決できる論理を持っていないと言うのが、現状ですね。